tender dragon Ⅰ
「だったら何だよ!!」
冷静な希龍くんとは違って、狂羅の人たちは殺気だっていた。今にも飛びかかってきそう。
「蒼空くん…っ」
葉太が戻ってきたとき、蒼空くんを受け止めた。力が入ってない蒼空くんの体は重いけど、耐えられた。
体を支えてドアの方へと向かう。
「ははっ…」
希龍くんの乾いた笑い声が響いた。
建物の外に出たときだった。
「潰してやろうか?」
低い低い、希龍くんの声。
誰もが息を飲んだ。
あの人は、本物の金龍だと。
蒼空くんをつれて車に乗り込んだとき、後ろの方から怒号が聞こえてきた。
「始まったねー」
「あ、安田さん!」
運転席にいたのは安田さん。いつもと違う車に乗ってるから分からなかった。