tender dragon Ⅰ

「ったく、お前も春斗も無茶しすぎだぞ。」

安田さんは呆れ顔だけど、どこか嬉しそうで。本気で怒ってるようには見えなかった。

「それ、春斗が起きたら言ってやれよ」

安田さんの言葉に蒼空くんも笑った。


―ガラッ…


「あ、いた!」

勢いよくドアが開いて入ってきたのは、息を切らした芽衣と遼太くん。


「芽衣!」

「よかったっ、心配したんだから!」

病室に入ってきた途端、芽衣はあたしをギュッと強く抱き締めた。

遼太くんも一緒に入ってきて、蒼空くんを見て唖然としてる。


「お前、何だよその怪我!」

「大したことねぇから騒ぐなよ」

遼太くんの大きな声に、蒼空くんは心底迷惑そうな顔をして耳を塞ぐ。


「お前らは怪我ねぇの?」

「あぁ…、狙いは最初からそっちだったし、俺らは上手く逃げ切れたけど。」

やっぱり別々に逃げてよかった。

芽衣も遼太くんも無事。

よかった…

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