tender dragon Ⅰ

「あっ、川原美波です」

「美波ちゃんね。ゆっくりしていって」

優しく笑う女の人は、どうやらあたしの後ろにいる蒼空くんと遼太くんの存在に気づいていないみたい。


「あたしのママだから」

「えっ!?」

若いよね。何か、若いよね!

「若いね…」

「そう?」

「神岡美憂です、よろしくね」

ニコッと笑う美憂さんは、若いだけじゃなくて、顔も雰囲気も可愛い人だった。


―ガチャ…

そしてリビングのドアを開けて入った先に、もう1人いる。


「ねぇ、大ちゃん!芽衣がね、友達つれてきたの!」

"大ちゃん"と呼ばれるその人は、希龍くんのように綺麗な金髪をしていた。

目が合って驚く。


「もしかして…」

「パパだよ!」

やっぱり!

ってことは…この人が大智さん。

みんなが尊敬して、憧れた存在。

"龍泉10代目総長"

言われなくたって、見ればすぐに分かった。


「あ…、こんにちは」

お辞儀をすると、大智さんも返してくれた。

納得いった。

こんなに可愛いお母さんと、こんなにイケメンなお父さんが親なら、子供がみんなこんなに綺麗な顔立ちなのも分かる。

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