tender dragon Ⅰ
自分もそういう立場にいた人なんだし、子供がそういうことに関わってることも理解してると思う。
「あっ、希龍は?」
「そろそろ帰ってくるんじゃねぇの」
美憂さんがハッとしたように言って、それに蒼空くんが答える。
「葉太も一緒か」
「おう。」
大智さんはまるでさっきの会話ですべてを察したように、蒼空くんに話しかける。
さすがと言うか。やっぱりすごい。
「ママ、お腹好いた」
「もうそんな時間?あ、美波ちゃんも食べていくよね?」
「あ…、はい」
少し遠慮がちに頷くと、美憂さんは嬉しそうに笑ってキッチンに走っていった。
それを眺めてる大智さんの顔もどこか嬉しそうで、仲が良いのが何となく分かる。
「美波、座って?」
「ありがと」