tender dragon Ⅰ
「あ、顔真っ赤」
こういうのには慣れてない。
背筋がゾクゾクするような、体に電気が走るような感覚なんて、経験したことなかった。
「っ…消毒するね」
先に目を反らしたのはあたしで、それでも希龍くんはあたしを見つめる。
「あの…目つむってて?」
「何で?」
「あんまり見られるとやりづらいから…」
「ふーん、そっか」
素直に目を閉じた希龍くん。
……何かこれはこれで…
「キスでもするつもり?」
「えっ!?」
隣から聞こえた声に驚いて。
蒼空くんがあたしと希龍くんを見てて、慌てて希龍くんから離れる。
「そ、そんなわけないでしょ!」
「えー、俺はしてもよかったけど」
すると前から希龍くんのからかうような声が聞こえてきて。
「もー、美波をいじめないでよ」
俯いてしまったあたしを、芽衣が横からギューッと抱き締めた。
ほんとにこの3人といるといろんな意味で心臓に悪いんだよね。