tender dragon Ⅰ

まずいと思い、歩くスピードを少し早めた。

もっと早く携帯を開けばよかった。

そうすれば、メールにも早く気づけたのに。


歩きながら思った。

希龍くん、学校行ってないの?

この時間にさくら公園に来れるなんて、学校に行ってない証拠でしょ。


「いた…」


小さな公園に停まってる真っ黒な大きいバイク。あれは一度見たことがある。ていうか、昨日見た。

側にあるベンチに寝転んで、気持ち良さそうに眠る男の人は、きっと希龍くんだ。


「希龍くん」


名前を呼んでみても、起きる気配はない。

近寄って肩を叩いてみる。


「ん……」

< 44 / 428 >

この作品をシェア

pagetop