tender dragon Ⅰ

「西高だけど。美波は東高だよね?」

「うん。あの、西高って……」


あたしが通ってる東高校からそう遠くない場所にある西高校は、東高と違ってとんでもない不良高校だ。

共学だけどほとんど女の子はいないし、噂では 8割が龍泉の人間だとか。


「不良しかいないんだよね…?」

「んー…、まぁ、そうなんじゃない?」


曖昧だなぁ…

でもまぁ、希龍くんは龍泉の総長だし。そういう環境にいても何とも思わないんだろう。

普段からそんなところで生活をしてれば、これだけ強心臓なのにも納得がいく。


「ねぇ、美波」


不意に名前を呼ばれて顔をあげると、まるで悪戯っ子のように笑う希龍くんと目があった。

嫌な予感…


「ちょっと、拉致られてくれない?」

その言葉を聞き終わったときにはもう、あたしの頭にはヘルメットが被せてあった。

あれ、デジャヴ?

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