tender dragon Ⅰ
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真冬の道路を爆走する希龍くんにつれられて、あたしは今何故か倉庫の前に立っている。
「希龍くん、ここどこ?」
お世辞でもいい雰囲気とは言えないその場所は、ドラマの喧嘩のシーンにでも出てきそうなほど、あたしには無縁な世界だった。
「俺らの溜まり場だよ。美波、ついてきて」
溜まり場?
それって龍泉の?
大きなドアを開けると、あたしが思っていたほど人はいなかった。ていうか、全くいない。
「人いないんだね。」
まさかみんな学校に行ってるの?
「学校行ってるよ。みんな一応学生だからね、俺が強制的に行かせてんの。」
そんなことを言う希龍くんが学校に行ってないんじゃ、全く意味がないでしょう。
「そっか」
倉庫の中には、真っ黒なドアが1つ、ポツンとある。希龍くんはそれを開けて中に入っていった。
慌ててあたしも追いかける。