tender dragon Ⅰ
―ガチャ…
ドアを開けて中に入って、まず一番に目に入ったのは
【龍泉】
と大きく書かれた旗だった。
「おー、昨日ぶりだな。」
「あ、葉太おはよう。」
希龍くんと同じ学ランを着た葉太が、真っ黒なソファーに腰かけていた。向かい側のソファーには、すでに希龍くんが寝転んでいる。
「美波、今日何かなかった?」
ソファに寝転んで言った希龍くんの顔は真剣で、きっと狂羅に関係する話をしているんだと思った。
聞かれてるんだから、言うべきだろう。
「…狂羅が黒髪の女の子探してるって。あたしあのとき制服着てたから、東高の人間だってこともバレてたみたい。」
「やっぱりなー。俺らのとこにも回ってきたんだ。狂羅が女探してるって」
葉太がため息をつきながら言う。やっぱり、情報が回るのが早いんだ。