tender dragon Ⅰ
「違ぇよ。んなわけねぇだろ」
少し怒ったように言う葉太は、希龍くんを見てるけど、希龍くんは目を合わせようとしない。
希龍くんは本気でそう思ってるんだ。
「みんな、俺に憧れてるわけじゃないから。」
無表情でそう言うと、希龍くんは部屋から出ていってしまった。
希龍くんが出て行ったドアを見つめた。
どうしてあんな悲しいことを言うんだろう。
「悪いな、美波」
「何が?」
葉太が机に散らばった紙を集めながら、申し訳なさそうな顔であたしを見て謝る。
何に対して謝られてるのか分からなかった。
葉太は悪いことしてないのに。
「あいつ色々悩んでるみたいでさ、最近機嫌悪いんだ。」