tender dragon Ⅰ
「希龍のこと好きになった?」
「え?」
予想もしていなかった質問に、思わず間抜けな声が出てしまった。今そんな話してたっけ?
「いや、希龍のことすげぇ考えてくれてるからさ。もしかして好きになったのかなーって」
「…違うよ…ただ、希龍くんならあたしを助けてくれるって思えたから、重荷になりたくないの。」
「ふーん、そっか。そんな風に考えてくれてるなら、こっちも少しは安心できる。」
紙を集め終わった葉太は立ち上がって「行こうか」と言う。
どこに行くのか分からないまま、あたしは素直に立ち上がって葉太について行った。