tender dragon Ⅰ

「ほんと、昼間からよく寝るよな。」

安田さんは呆れ顔で、葉太は苦笑い。


「あそこって、寝室?」


あたしがそう聞くと、葉太はキョトンとして、まるで当たり前のように

「希龍の部屋だけど」

と言った。


ちょっと待って、ここは安田さんの家でしょ?

どうして希龍くんの部屋があるのよ。

しかも何で当たり前みたいな顔してそんなこと言うの?


「…安田さんの家なのに?」

「だって半同棲してるし。ほぼ毎日ここで寝るからさ。ちなみにあっちは俺の部屋!」


希龍くんの部屋の隣が、葉太の部屋らしい。


「じゃああっちは…」

「俺の部屋だよ。俺の家なのに変な話だよな」


なんて言ってる安田さんだけど、2人の部屋があることに不満はないみたいで、大して気にしてなさそうだった。

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