tender dragon Ⅰ
「はじめまして、城戸春斗っす!」
城戸春斗(キドハルト)君かぁ。
「はじめまして、川島美波です」
「あぁ、あなたが美波さんっすか。」
「春斗、美波のこと知ってんの?」
―ガチャ…
「俺が呼んだんだよ」
欠伸をしながら伸びをしている、眠そうな表情の希龍くんが奥の部屋から出てきた。
もう、あのイライラした希龍くんらしくない雰囲気はない。
マイペースな希龍くんだった。
「希龍さんこんにちわ!」
「おはよ、春斗」
会話が成り立ってないけどまぁいいか。
「で、何で春斗を呼んだわけ?」
「んー、ちょっと頼み事。」
そう言うと希龍くんは台所にいるあたしを見て「カレー食べたいな」と言って微笑んだ。