tender dragon Ⅰ
「美波さんのですか?」
「うん、美波の」
「はぁ?何でだよ?」
先にそう聞いたのはあたしじゃなくて、葉太だった。
口調は強いけど、きっと怒ってるわけじゃないんだろう。
「俺と葉太が送り迎えするわけにはいかないからね。一応ツートップだし?」
そりゃあ、そうだ。
総長や副総長が1人の女の子の送り迎えをするなんて、ダメに決まってる。
「あの、いいですけど……俺でいいんすか?」
「春斗は運転も上手いし、俺らだって昔からよく知ってるからね。いざとなれば逃げれると思うし…任せるなら春斗だと思ったんだ。」
運転って、車なわけないし。
ってことはやっぱりバイク?こんなに純粋そうな子がバイクに乗るわけ?
人は見かけによらないな…