tender dragon Ⅰ
「希龍さん、俺で良ければ是非!」
さっきの自信がなさそうな顔とはうって変わって、目がキラキラしている。
頼られたことがよっぽど嬉しいんだ。
「ふーん、そういうことか。」
葉太も納得したみたい。
「じゃあ明日からよろしく」
希龍くんがそう言って春斗くんの頭をポン、と撫でると、春斗くんは嬉しそうに笑って「はい!」と元気な返事をした。
等の本人のあたしは、何だかお嬢様にでもなったような気分だった。
「希龍、さっきの話なんだけどよー…」
葉太がさっき倉庫で出してた紙を再び取り出した。あたしが聞いて分かる話じゃないと思い、カレーを作り始める。