【完】愛の血−超勝手な吸血鬼



「え……っ?」

「簡単なことでしょ?
それだけよ?」

「それ、だけ?」



それだけなのに、何でこんな事するの?

普通じゃないよ。

おかしいよ、繭ちゃん。



「取引してくれる?」



そう確認するように、あたしの顔を見る繭ちゃんから目を逸らした。


椎名冬夜の事を諦める。

それは、この気付いた気持ちを黙って、隠し続ける事。

でもそれだけで、今は助かる。


でも……


椎名冬夜の“相手”はあたしなんだよね。

あたしが居ないと……死んじゃうんだよ?


グッと力を入れて顔をあげた。

そして真っ直ぐに繭ちゃんを見つめて。



「出来ない」



そう言った。




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