【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「仁奈ちゃん、取引はどうするの?
早く返事してくれなきゃ、不成立ってことになるけど」
短い溜息を吐きながら言う繭ちゃんに、小さく頷いてしまった。
だって、他にも相手が居るんならあたしじゃなくてもいいんでしょう?
わざわざ恐い思いして、痛い思いして血をあげる必要なんてないじゃない。
それに、あたしよりも繭ちゃんの方が椎名冬夜の事を知ってる。
なら……
あたしよりも、繭ちゃんの方が……。
「OK、取引成立ね。
仁奈ちゃん、約束は忘れないでね」
そう言いながら体育館倉庫を出て行こうとする繭ちゃんに、何も言えない。
言えないんじゃなくて、言う言葉はなかっただけなのかもしれないけど。