風に恋して
「んっ」

リアはレオの胸に手を突っ張って身体を離そうとするが、レオに腰を抱え込まれていて逃げられない。

熱い舌の動きに翻弄され、だんだんと呼吸が苦しくなっていく。

(な、んで……)

抵抗しなくては――そう思うのに、身体が言うことをきかない。

レオの大きな手が、腰からゆっくりと背骨をなぞるようにリアのうなじへと上がってくる。

「っ、ん……」

その手はリアの腕の下からすり抜けるようにしてレオをリアの身体の間に滑り込み、長い指が心臓の紋章をなぞった。

リアは自分の身体を駆け巡っていく熱と刺激に耐えられず、レオのシャツを握った。

すると、ゆっくりと唇が離れて頬をなぞられた。熱いキスで濡れた唇とリアを求める視線。

どうしてなのだろう。

レオは力任せにリアを抱きしめているわけではない。強引だったのは、最初のほんの少しだけ……抵抗しなかったのは、リアの方。

見つめ合う――それが、自然のような気さえする。

「リア」

その心地良い声に、真っ直ぐな瞳に、リアが吸い込まれそうになったとき――
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