風に恋して
コンコン。
ドアをノックする音が聞こえて、ハッとした。
リアはグッとレオの胸を押し、レオがフッと息を吐き出して静かにドアに向き直った。
「入れ」
レオがそう声を掛けると、ドアがゆっくりと開く。
「レオ様?リア様は……」
入ってきたのは、レオより少し質素な格好の男性だった。少し垂れ目で、柔らかい雰囲気を持っている。こげ茶色のクセ毛が少し幼さを加えているが、リアよりは年上だろう。
「カタリナを呼べ。必要なら他の侍女も。湯浴みをさせる間に食事の用意をするようにシェフに伝えろ」
「すぐに伝えます」
レオが指示を出すと、その男性はポケットから紙を取り出して何やら呟くと、フッと息をかけてそれを飛ばした。風属性――ヴィエント王国の民が使う呪文――の伝達手段だ。
それから彼はリアの方を向いて丁寧に腰を折った。
「セスト、と申します。王家専属クラドール兼レオ様の側近です」
そう自己紹介をして顔を上げたセストは、怯えた様子のリアを見て困ったように笑った。
「やはり私のことも覚えていらっしゃらないのですね」
「……」
このセストという青年も、リアのことを知っているようだ。リアはキュッとナイトガウンのスカートを握って視線を床に移す。
ドアをノックする音が聞こえて、ハッとした。
リアはグッとレオの胸を押し、レオがフッと息を吐き出して静かにドアに向き直った。
「入れ」
レオがそう声を掛けると、ドアがゆっくりと開く。
「レオ様?リア様は……」
入ってきたのは、レオより少し質素な格好の男性だった。少し垂れ目で、柔らかい雰囲気を持っている。こげ茶色のクセ毛が少し幼さを加えているが、リアよりは年上だろう。
「カタリナを呼べ。必要なら他の侍女も。湯浴みをさせる間に食事の用意をするようにシェフに伝えろ」
「すぐに伝えます」
レオが指示を出すと、その男性はポケットから紙を取り出して何やら呟くと、フッと息をかけてそれを飛ばした。風属性――ヴィエント王国の民が使う呪文――の伝達手段だ。
それから彼はリアの方を向いて丁寧に腰を折った。
「セスト、と申します。王家専属クラドール兼レオ様の側近です」
そう自己紹介をして顔を上げたセストは、怯えた様子のリアを見て困ったように笑った。
「やはり私のことも覚えていらっしゃらないのですね」
「……」
このセストという青年も、リアのことを知っているようだ。リアはキュッとナイトガウンのスカートを握って視線を床に移す。