風に恋して
「分かっただろう?」

レオがリアの身体を反転させ、2人は向かい合う。レオの大きな手に促されて顔を上げれば、漆黒の瞳と視線が絡まった。

「どうして……」

リアの瞳から涙がこぼれた。そんなはずはない。だって、リアは――

「言っておくが、俺たちは愛し合って1つになった」
「――っ!?」

そう、リアの心臓に紋章が刻まれているということは、レオと肌を重ねたことがあるということ。

2人が初めて結ばれるそのとき、呪文が唱えられる。呪文は純潔な者にしか効果がなく、それは一生消えることはない。

今、レオに触れられただけで紋章が浮かび上がったということは、もっと前にそれが刻まれていたことになる。つまり、リアは以前にレオと夜を共にしたことがあるということ。レオの言葉を信じるならば、自ら望んで。

「そん、な……っ、ぅっ」
「お前は俺を愛している。俺が、お前を求めるのと同じように……」

レオの顔がゆっくりと近づいてくる。リアはレオの肩を押し返して抵抗した。

「いや――」

だが、リアがレオに力で勝てるはずもない。そのまま腰を引き寄せられ、レオの手がリアの頭を抱え込んで唇が重なった。リアの身体に力が入る。

しかし、優しく何度も啄ばむように口付けを落とされて、固く引き結んでいたはずのリアの唇が少しずつ薄く開いていく。

(な、なに……?)

リアは自分の身体の反応に戸惑った。そんなリアの動揺を感じ取ったのか、レオが少しだけ唇を離して笑い、今度は深く情熱的なキスをリアに与え始めた。
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