風に恋して
「雨がどれだけ降り続いても、冷めないぞ」

リアの頭の上から聴こえてくるレオの声。

「そんなことで冷めるような気持ちじゃない。それは、もうお前もわかっただろ?」
「――っ」

本に乗せた手にレオの手が重なって、指を絡められる。

リアは動けなかった。熱くて、この熱をどうしていいかわからなくて……

「怖いんだろ?」

リアの心の中を見透かしたかのようなレオの言葉に、リアはビクッとする。

自分が自分でないような、心と身体の反応に怖くなる。

レオに抗えないリアは……

「俺の気持ちを受け入れてくれた夜、お前はそう言っていた。俺に触れられると身体が熱くなって、どうしたらいいかわからない、と」

同じ、だ。今のリアと。

「前に、俺が強引に迫ったことがあるって言っただろ?その後の話だ」

レオは少し寂しそうに笑った後、その思い出を話してくれた。
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