風に恋して
――レオが強引にリアの気持ちを聞きだそうとした夜の後、リアはレオを避けるようになった。

諦めなければいけないのかもしれないと、自分に言い聞かせて過ごす日々は苦しくて、いくつも眠れない夜を過ごして……そんな、ある日。リアがレオの部屋を訪れたのだ。ずっと自分を避けていたリアが自ら、しかもレオの部屋に来たことに驚いた。

「お前は確かめたいことがあると言って俺の部屋に入ってきた」

そして――

『ギュってして』

そう言って、レオに抱きついてきたリア。泣きそうな声だった。レオは戸惑いながらも、リアの背中に手を回し、リアの身体を包み込んで。

「それで、俺のことが好きだと言ってくれた」

今までの曖昧にはぐらかす“好き”とは違う意味なのだとすぐにわかった。

母親に教わったと言っていた。熱くて、苦しくて、心臓が痛いくらいに高鳴るのは、リアがレオに恋をしているからだと。

「それから俺たちは恋人になった。でも、お前はやっぱり俺に触れられることを怖がっていて……待つと約束した。お前がそうしたいと思えるときまで」

本当はすぐにでもリアを自分だけのものにしたかった。けれど、キス以上を求めると途端に怯えが映る翡翠色の瞳にレオも先に進めなかったし、リアがレオに追いつくのを待ちたいとも思った。

結局、レオが少々強引にその場所までリアの手を引いたのは否めないけれど、プロポーズをしたときのリアは優しくレオを受け入れてくれた。
< 145 / 344 >

この作品をシェア

pagetop