風に恋して
夕食の後、レオは1人治療室に残ってリアの寝顔を見つめていた。
リアが危険な状態にあるとしても、こうしてまだレオの元にいるという事実に安心している自分がいる。
記憶修正を行って疲労困憊の様子だったセストやディノは部屋に戻し、エレナにも部屋を用意させ、しばらく滞在してもらうことにした。眠っていたイヴァンも夕食時に起こして事情を説明し、明日からは記憶修正を手伝うことになっている。
ふと、先ほどの会話を思い出す。
『なぜ、エンツォはリア様を連れて行かなかったのでしょうか?』
セストが部屋を出て行く前に口にしたことだ。レオも気になっていた。今はリアの回復が最優先だから、あまりそれについて話さずにセストを休ませたけれど……
1年前も、同じような会話をした。あのときは、エンツォがどうやってリアを連れ去ったか、だったけれど。
リアはレオの部屋でもそうだったけれど、十分エンツォに抗うことのできる呪文を使える。それをしなかったのは、エンツォにそれだけ気を許していたということなのか……
どちらにせよ、1年前も昨日もリアを守り切れなかったことだけが悔やまれる。
「リア……ごめ、ん……」
うまく、言葉を紡げない。謝ることしかできない。とにかく理由が何であれ、昨日の時点で連れ去られなかったのは不幸中の幸いといったところか。
リアが危険な状態にあるとしても、こうしてまだレオの元にいるという事実に安心している自分がいる。
記憶修正を行って疲労困憊の様子だったセストやディノは部屋に戻し、エレナにも部屋を用意させ、しばらく滞在してもらうことにした。眠っていたイヴァンも夕食時に起こして事情を説明し、明日からは記憶修正を手伝うことになっている。
ふと、先ほどの会話を思い出す。
『なぜ、エンツォはリア様を連れて行かなかったのでしょうか?』
セストが部屋を出て行く前に口にしたことだ。レオも気になっていた。今はリアの回復が最優先だから、あまりそれについて話さずにセストを休ませたけれど……
1年前も、同じような会話をした。あのときは、エンツォがどうやってリアを連れ去ったか、だったけれど。
リアはレオの部屋でもそうだったけれど、十分エンツォに抗うことのできる呪文を使える。それをしなかったのは、エンツォにそれだけ気を許していたということなのか……
どちらにせよ、1年前も昨日もリアを守り切れなかったことだけが悔やまれる。
「リア……ごめ、ん……」
うまく、言葉を紡げない。謝ることしかできない。とにかく理由が何であれ、昨日の時点で連れ去られなかったのは不幸中の幸いといったところか。