風に恋して
その日の夜、リアの部屋の前でレオは深呼吸をして扉をノックした。

返事がないところから察するに、読書に夢中になっているらしい。レオがそっと扉を開けると、思った通りリアがベッドで本を読んでいた。昼間、中庭で読んでいた本と同じ。

いつのまに、と思ったが、きっとセストあたりに頼んだのだろう。

「リア」

レオが名前を呼ぶと、リアはゆっくり顔を上げた。

「レオ?どうしたの?」

リアは少し驚いたようだったが、微笑んでレオを迎えてくれた。レオが夜にリアの部屋を訪れるのは珍しくないが、今日は少し遅い時間だ。カタリナが仕事を終える時間――リアと2人になれる時間――を狙って来た、というのが本音だけれど。

ハッキリさせたい。リアの気持ちも、自分とリアの関係も。

「セストに返してもらったのか?」

レオはベッドの端に腰を下ろした。

「うん」
「そうか……」

頷いたリアの頭を自分の胸に引き寄せて髪を梳く。

リアは抵抗することもなくレオに寄りかかり、それを受け入れる。こんな風に無防備に甘えてくれるから……期待してしまうのだ。

レオはそっとリアの膝の上に置いてあった本を閉じた。
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