黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
 
「…また、黙りか……。


………ちっとはなんか喋れやァッ!!!
それとも黙ったままぶちのめされてーのかてめーッ…!!
……翔太の命令聞くかぁ、それともこの場で土下座して謝るか……今すぐどっちか選べやボケぇッ!!!」



「…ッ!!」


……本物の、ヤクザを相手にしているような気分だった。

もう、恐怖と緊張から、立っていることさえギリギリの状態だった。

ここがバスの中で、そして今が楽しい修学旅行の最中だなんて、とても思えなかった。


既に周囲も確認できないような状況だったが、こんな質の悪いチンピラから、俺みたいなヤツを助けてくれるヒーローや神様みた いなヤツなんて、おそらくいないだろう。


うるさいほどに、ドクドクと心臓が脈を打つ。

手足が恐怖で震えているのも、自覚している。

それくらい酷い有り様だったが、ヤツの言葉どおり…今すぐ何らかの行動を起こさないと…


……俺は…っ…!


【選択】

A:自分の身とプライドを守ることを両取りし、翔太の命令を聞いて、なんとかこの場だけでも切り抜けようと思った。
→【次のページへ】

B:殴られたり、この先イジメの対象にされるのは何としてでも避けたかったため、ここ一回だけ己のプライドを犠牲にして、バ スの中央通路で土下座をしようと思った。
→【56】

C:恐怖はもう限界に近かったし、このあとどうなるかもわからないけど、自分のプライドを守るためだけに、当初の予定を果たそうと思った。
→【112】

D:全身の筋肉は恐怖と緊張でガチガチに固まっていたが、平均よりも優れた自分の身体能力を信じて、無謀にも静かにファイ ティングポーズをとった。
→【66】
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