黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
そして言われたとおり、壁際の翔太の右隣りのシートに、ぎくしゃくとした動作で腰を落とす。
…この座席まで来る途中、良雄が俺の進路を空けたるために、シートから投げしだした足を、わざわざ左によけた。
快く通路を譲ってくれたのが、さらに気持ち悪かった…。
……こいつら…いったいこれから俺に……何を、するつもりなんだ……。
一時的に窮地を凌げたとはいえ、このシートに座ったことを、早くも後悔し始めている自分がいた。
『話しがある』、なんて言ってはみたものの、隣りにいる翔太のほうなんて、怖くて向けない…。
周囲が静かなせいか、シート越しに、バスの振動がやけに強く感じられる…。
「……七夜きゅんて…かわいい顔してるにゃー…♪」
そんな心境の中、すぐ真横から聞こえたその言葉に、俺は自分の耳を疑った。
……俺の顔…が……かわいい……?
もう一度頭の中で復唱し、頭の中でその言葉の意味を噛み砕いて、理解した。
瞬間、全身がゾワッとした。
……こいつ……今、なんて……?
そこまで考えかけた時。
「…ひっ!!?」
…新たな刺激が、俺の太ももに走る。
シートに座ってうつむいていた俺は、すぐさまその異物感の広がる箇所に視線を走らせる。
……そこには、翔太の手があった。
正しくは、翔太の右の手の平が、俺の左の太ももにのせられていた。
…この座席まで来る途中、良雄が俺の進路を空けたるために、シートから投げしだした足を、わざわざ左によけた。
快く通路を譲ってくれたのが、さらに気持ち悪かった…。
……こいつら…いったいこれから俺に……何を、するつもりなんだ……。
一時的に窮地を凌げたとはいえ、このシートに座ったことを、早くも後悔し始めている自分がいた。
『話しがある』、なんて言ってはみたものの、隣りにいる翔太のほうなんて、怖くて向けない…。
周囲が静かなせいか、シート越しに、バスの振動がやけに強く感じられる…。
「……七夜きゅんて…かわいい顔してるにゃー…♪」
そんな心境の中、すぐ真横から聞こえたその言葉に、俺は自分の耳を疑った。
……俺の顔…が……かわいい……?
もう一度頭の中で復唱し、頭の中でその言葉の意味を噛み砕いて、理解した。
瞬間、全身がゾワッとした。
……こいつ……今、なんて……?
そこまで考えかけた時。
「…ひっ!!?」
…新たな刺激が、俺の太ももに走る。
シートに座ってうつむいていた俺は、すぐさまその異物感の広がる箇所に視線を走らせる。
……そこには、翔太の手があった。
正しくは、翔太の右の手の平が、俺の左の太ももにのせられていた。