続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
兄さんは私をいったん抱き締めた後に、体を離して顔を近づけてきたので、ドキドキしながら目をつぶろうとしたら。

突然、車の正面にカメラを持った腕が伸びてきたので、慌てて体を離した。


「えっ!? 何、今の?
写真撮られた?」


芸能記者なのか、ファンの子なのか分からないけど、写真を撮られた気がする。

誰にも見つかってないと思ってたのに、つけられてたのだろうか。

どうしようと兄さんに目で訴えたら、あろうことか外を見て笑顔で手をふっていた。

能天気にそんなことしてる場合じゃ.....!

一人焦っていたら、ドアを叩かれて兄さんは外に出た。

訳が分からず、私も続いて外に出る。


「Miracleのメンバー、熱愛発覚!
人目を忍んで、車の中で密会していました。大スクープですね!」


芸能記者にとっては美味しいだろうネタを口にしながら、カメラを構えて私たちを待ち受けていたのは。
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