巫女と王子と精霊の本


―ガタッ

「…セレナ??」


突然お風呂の入口から物音がした。


「誰かいるの?」


声をかけても返事が返ってこない。


「………?」


―ザバンッ


私は湯から出て入口へと向かう。


「セレナ……?」


扉に手を伸ばした瞬間…



―バンッ

「へ……え…?」


目の前の扉が勢いよく全開に開いた。


「ほう…」


目の前には黒い忍者みたいな装束をまとった男がいた。


赤い髪と赤い瞳が印象的だ。



すごく…かっこいい…


この世界には綺麗な人しかいないのか!!と叫びたい。



「ごちそうさん♪」


男はニヤッと笑い、私の体を上から下までじっくりと見る。









< 112 / 300 >

この作品をシェア

pagetop