巫女と王子と精霊の本
―ガタッ
「…セレナ??」
突然お風呂の入口から物音がした。
「誰かいるの?」
声をかけても返事が返ってこない。
「………?」
―ザバンッ
私は湯から出て入口へと向かう。
「セレナ……?」
扉に手を伸ばした瞬間…
―バンッ
「へ……え…?」
目の前の扉が勢いよく全開に開いた。
「ほう…」
目の前には黒い忍者みたいな装束をまとった男がいた。
赤い髪と赤い瞳が印象的だ。
すごく…かっこいい…
この世界には綺麗な人しかいないのか!!と叫びたい。
「ごちそうさん♪」
男はニヤッと笑い、私の体を上から下までじっくりと見る。