巫女と王子と精霊の本


「……………………」

「お、何?固まってんの?」



男は私の目の前で軽く手を振った。


我に返ると、自分が全裸だった事に気づく。


「あっ…わっ……」


顔が熱くなっていく。
おそらく茹でたタコと同じくらい。


「赤くなっちゃって、可愛いね」


目の前の男は私を面白そうに見る。


こいつ…いつまで……




「…この………」

「この?」


ふつふつと湧いてくる怒り。


まだ誰にも見せた事無いのに……


初めては好きな人にって決めてたのに……



「この変態ぃぃ!!!!!」


―バチンッ


「ぐはっ!!!」



一発入魂!!!!!


私は渾身の力で男の頬を叩いた。









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