巫女と王子と精霊の本
『すず、なぁ!!』
鈴君の声が聞こえた瞬間、黄金の光が人形をかたどる。
「なんだ、これは!?」
身構えるエルシスに私は笑顔を浮かべる。
「エルシス、鈴君だよ。転生してこの世界でもう一度生きるの」
「この…子供が……?」
目の前のにへらと笑う子供の鈴君にエルシスは目を見開く。
「うん。鈴君が魔王である事は変えられないけど、私たちの大切な人だっていうことも変わらないから…」
鈴君を抱き締めると、鈴君は嬉しそうに抱きついてくる。
「すずなぁ、だれ?」
エルシスを指差して首を傾げる鈴君の目線に合わせてしゃがみ、笑顔を向ける。
「エルシスだよ、鈴君の事を私と同じように大切に思ってる人なの」
「なら、しゅじゅくんのともだちに、してあげるー!!」
鈴君はエルシスの足元に抱きつき、「きゃっきゃ」と跳ねる。
「ははっ、まいったな。こんなに可愛いと、仕事が手につかなくなりそうだ」
エルシスが鈴君をひょいっと抱き上げる。
「俺たちで幸せにしてやろう」
「……え…?」
それって…どういう意味……?
「俺と結婚してくれ、鈴は俺達の一人目の子供だ」
「あ…結婚、子供……えっ!?」
どうしよう、嬉しすぎて信じられないよ!!
私、夢を見てるんじゃ……?
ためしに自分の頬をつねってみる。