巫女と王子と精霊の本
「はぁぁ〜っ……」
肩で息をしながら草むらに寝転ぶ。
そのまま空を見上げた。
あれだけ天候が荒れてたのに、今はこんなに晴れてるなんてなんだか信じられない。
これも…
守れた証…なのかな…?
私は手の平を空にかざす。太陽が眩しかった。
「…竜…か……」
私はバッと起き上がり、本のページを開く。
相変わらず白紙のままのページに触れた。
「次は何を奪おうっていうの…?」
誰に問うでもなく、呟く。
黒の結末…
忘れてたけど、この物語を消そうとしている人がいるんだ。
…どうして……?
どうして私の大切なものを奪おうとするの…?