巫女と王子と精霊の本


「…何をやってるんだ俺はっ……」



これじゃあただの暴行だ。だが……


こんなに抑えられないほどに…


「お前に…惹かれている…」



自分の理性がいとも簡単に崩壊するなんてな…



「お前が誰でも…俺はお前が欲しい…」


鈴奈の髪を一束掬い、それに口づけた。



フワッと甘い花のような匂いがする。


いい匂いがする…


俺はただ鈴奈の髪を梳きながらその寝顔を見つめているのだった。









< 99 / 300 >

この作品をシェア

pagetop