帰宅部にお任せを
わたしは仕事の管理を任されたこともないし、実際現場に出されたこともない。
どんなに人手が足りない日であっても雑用は雑用で、惨めなばかり。
「ねえ、いつまで雑用係やらせるつもり?」
紅茶を楓の前に出して、尋ねた。
「"雑用係"に不満があるの?好きでしょ、雑用」
こっちは真剣に訊いてるってのに、何なのこの答え方、そして態度。
「……雑用好きとか、言ったことないんですけど…」
皆に手を汚させて、自分ばかり何も知らずに雑用をやっているなんて、悪い気がしてならない。
役に立たないかも知れないけど、軽い仕事くらいは精一杯やればこなせるのに。
「そろそろ会議は終わりにしよう。"お客さん"も来ることだし」
そんなわたしの気持ちも知らずに、楓はファイルを閉じた。
つられて皆もファイルを閉じる。
ただし、十夜だけはまだパソコンに向かっていたけれど。
…"お客さん"、今日も来るんだ。
『憎い』という感情を持った人が―…。