帰宅部にお任せを
「廉、かわいそうじゃない?」
思い切って楓に切り出す。
すると楓は、『しょうがないじゃん』と笑った。
「だってあのテニス部のキャプテン、俺の次に廉が好みって言うんだもん。ね、十夜?」
「ああ…」
相変わらずパソコンにしか目が向いていない十夜。
「だったら、楓が行けばいいじゃん…」
わたしがふとそんなことをこぼすと、
「駄目だよ」
それが聞こえていたのか、楓はやけに真面目な顔つき。
…に、見えた。
「俺には俺の役目がある。現場に出るのは廉、颯、曽良と十分いるよ」
十分、ね。
こんなに人の恨みを売るような仕事。
三人はきちんと抱えきれているのかな。
…悲しくなったり、苦しくなったりしないのかな。
たまに不安になる。
癇癪を起こしやすい颯のことも、いつもニコニコしている曽良のことも、廉はこの中で一番まともだから、もっと心配になってしまう。