帰宅部にお任せを
その頃、二人はというと―…
「廉ー、俺似合いすぎじゃね?」
ニタッと笑うのはテニスのラケットを片手にした颯。
俺はそんな颯睨んでから言った。
「お前には、血がべっとりついた金属バットの方がお似合いだ」
俺は今回の仕事のことで頭がいっぱいだった。
「…ざけんなよ、楓のやつ」
小さく呟き、堅く靴ひもを縛る。
今回の依頼のために―…。
時を遡ること数十分前。
俺は楓にこう言われていたのだ。
「今回の仕事内容は、廉に全てかかってるよ。そうだな、まず廉と颯はテニス部に適当な理由をつけて一週間くらい所属してもらう。それで、廉はテニス部のキャプテンを"その気"にさせること」
楓は満足気な表情をした。
「"その気"……?」
俺は悪寒を感じながらも、その意味を尋ねる。
「好きにさせる、ってコトだよ。こっちが気があるようにさせればすぐのるよ。廉のこと、好みみたいだし」
楓はそう付け加える。