帰宅部にお任せを

「はあー…、やるしかないのか」

渋々決心した。

やらなければならない、と。



楓が俺を試しているのもわかる。でも…


「俺はまだ帰宅部を抜けられない」

小さくそう付け加えると、曖昧な決心が少し堅くなったような気がした…。




「顧問の先生に頼まれてやって来た、倉谷颯と大宮廉だ。よろしく頼むぜ」

「…よろしく」

颯はノリノリで、俺は小さく挨拶をした。


ちなみに顧問には『俺達、テニスで全国大会行ったことがあって―…』なんて、偽物の賞状といいメーカーのラケットを振りかざしたら、『なら、うちの部はどうだ?』なんて目を輝かせて、そちらから話が飛び込んできたというわけ。

実際、俺達はテニスなんて経験は遊びでくらいしかないが、多分出来ると思う。

何せ、楓は勉強も運動も何でも平均より上の俺達だからこそ、帰宅部に採用したのだから。



一通り、挨拶を終えると俺は真っ先にテニス部キャプテンの元へ向かった。

この一歩目の行動がまず大事になる。


「俺、さっきも紹介したけど大宮廉です。よろしく。鳴海(なるみ)さん」

営業スマイルとはこういうことを言うのだと思う。


俺は笑顔をつくりながら思った。
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