帰宅部にお任せを
すると、一気に顔を赤くするキャプテン。
近くの子を引き寄せて、女子お得意のひそひそ話。
「もしかして廉くん、わたしのこと……」
「えー、絶対そうだって!」
これくらいの距離だから嫌でも聞こえてくる。
まあ、この会話からすればまずは成功だな。
「あいつ、カップ割ってねえかな…」
俺は誰にも聞こえないように、近くにいる奴にさえも聞こえないように、これから会えなくなるあいつのことを想った。
一方、居残り組はというと、
「廉、うまくいったかなあ…」
わたしは資料をシュレッダーにかけていた。
「そんなこといいから手、動かしてよ?」
楓は眉間に皺を寄せながら資料と睨めっこ。
"そんなこと"って!
全く、部長のくせに仲間を心配しないなんて。
…まあ、してたらそれはそれで気持ち悪いけど。
「これ、いらない」
「はいはい。了解しましたー」
わたしの小さなため息は、シュレッダーの音にかき消された。