帰宅部にお任せを
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
ひたすら顔をぐちゃぎちゃにして謝り続けるキャプテン。
そんな危うい症状のキャプテンを置いて、廉は依頼人に駆け寄った。
「行こうか」
「…は、はい」
依頼人はキャプテンの横を通り過ぎる時、何だか申し訳なさそうな顔をしてたように見えた。
中庭に連れて来られた依頼人。
そこには十夜と曽良を除いた帰宅部メンバーがいた。
「どうだった?8000円じゃ相当じゃなかった?」
楓は静かに依頼人に尋ねた。
「…いや、もうそれ以上で…、そこまでしなくてもってくらいでした……」
依頼人は楓を恐れているのか途切れ途切れに言った。
「そう。まあ、これで俺達の仕事はもう終わりだから。良かったね、憎い人を陥れることが出来て」
そう、わたし達の仕事はここまで。
もしこれから先、依頼人が仕組んだことだとバレようが、依頼人が他の人に恨まれようがもうわたし達の縁というものはここまで。
8000円分、充分に働いたのだから。