帰宅部にお任せを
さあ、ここからが勝負。
「真希、こちらにおいで」
今じゃ絶対見せることのない、穏やかな笑顔でわたしを手招きする楓。
ぞくっと身震いをするとともに、楓の"演技力"に脱帽した。
…そう、コレは"演技"。
お嬢様を惑わすためのお遊戯会。
わたしと楓がまず、コレに成功しなければ計画は進められないのだ。
わたしが提案した計画…。
絶対、成功しないと!
責任重大な仕事を任せられ、やり遂げようという決意をする。
しかし裏腹に、もし見破られたらどうしようか、うまく演じることが出来なかったら…、という万が一の不安も消えることはなかった。
「…うちの部員が先日、あなたの付き人さんとお話をしたそうです」
楓の眼差しはあまりにも真剣で、嘘がなくまっすぐだった。
一瞬、『本当のこと』だと自分でも錯覚してしまいそうになる。