帰宅部にお任せを

楓はその手紙をじっと見つめてから、まるでごみを捨てるかの如く下駄箱へ投げ込んだ。

たった数秒の出来事。


「やっぱり、真希に仕事を任せるべきじゃないね」

楓は一人で納得して、ここを立ち去ろうとする。


「え、ちょっと待ってよっ!」

急いでその後を追った。




ギギィ……

楓がやって来たのは部室だった。

朝という時刻の中にある部室を見るのは初めて。

小鳥のさえずりが時折聞こえる。


「何か、帰宅部の部室じゃないみたい…」

思わず言葉が漏れた。


「そうかもね」

楓は軽く流して、いつも来客を迎えるソファーに寝転がる。


「え、具合でも悪いの?」

あの楓が体を壊すなんて、と心配半分、実は興味半分で覗きこむと、『ばーか』とデコピンをされた。
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