帰宅部にお任せを

「これから帰宅部定例会議を始めます」

帰宅部部長、八木原 楓(やぎはら かえで)は印刷ほやほやの紙を読み上げる。

インテリ君が作ったものだ。


「えー…まずは活動内容。…毎回説明してるけど、まあ一応言っておこうか」

楓は面倒くさそうにページをめくった。


「帰宅部活動方針。
えー…我々帰宅部は『憎い』という感情を持った人間の代わりに、『憎い』の矛先を向けられた人間を地獄に陥れる。簡単にいえば、復讐代行役である』

復讐代行役。

そう、この部活は一言で表すにはこの言葉に限る。


人間は生きている限り、喜怒哀楽、沢山の感情をもつ。

嬉しいこともあれば悲しく、苦しいことも。

そして不からは時にこんな感情が生まれる。

『憎い』という感情が。



そしてそのうち、その黒い感情はどんどん大きくなっていく場合があって、当人は次第にそれを抑えきれなくなってしまう。

そして相手に"何か"をしてしまう。

まさに、最悪な事態。


そのようなことになる前に、わたし達がその人…つまり依頼人の気持ちを汲んで、ターゲットを地獄に陥れる。


そうすることで依頼人はスッキリする。

それにわたし達が行動するのだから、ターゲットは依頼人の仕業だと断定出来ない。


依頼人は自らの手を汚すこともなく、なおかつ犯人という罪を負うリスクも少なくなるわけ。
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