帰宅部にお任せを

「この手紙、」

偶然にも三通、机上に置いてあった手紙を掴み、顔と同じ高さのところまで持ち上げた。


「書いたのは、ユマさんじゃない―…?」

一瞬、室内が凍りつく。


「…理由はわからない。けど、ユマさんは自分を傷つけたかった。だから、わたし達にお願いをしたんじゃないの?」

それだったら素顔が見せられない理由もつく。

ユマさんだけの依頼がこんなに集中したことも、彼女が自分で自分宛に依頼をしていたのだから当然だ。



「…なるほどな」

話を聞いていた廉は何か、納得した様子で立ち上がった。



「なるほどって?」

廉は『それが、』と話し出した。


「俺がこの前、2通目の依頼をこなしに行った時、何か違和感を感じたんだ。俺は確かに、原田ユマを傷つけたはず。…だけどあいつはおかしかった。あんな演技染みた叫び声…。心の底では楽しんでた、ってわけね」

おそらく廉が見たのはもう一人のユマさんだ。


自分が傷つけられることを悦ばしく思っている彼女―…。
< 99 / 121 >

この作品をシェア

pagetop