短志緒

いつかは消えてしまうだろうと思っていた健吾への恋心は、何年経っても消えなかった。

女の話が出ると切なくて、当て付けのように自分も男の話をする。

だけどその後はいつものように甘い時間を過ごし、終わるとまた友達に戻る。

体だけじゃ健吾の気持ちを確信できないから、素直になることが出来ない。

好きだなんて言えない。

こんなに深く、何度も繋がってるのに、健吾だって何も言ってくれない。

何年経っても友達以上恋人未満だった。



そんな関係を終わりにしようと決意したのは、健吾に女の子の一番大事なものを捧げてから10年経とうという頃。

「ねえ、健吾。話があるの」

「話?」

「大事な話」

26歳になった健吾は、相変わらずの幼い顔を顎髭で何とか年相応に見せている。

「わかった。店が終わったら梨香の部屋に帰るよ」

そして私はというと、もちろん自他ともに認める美女である。

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