とある神官の話




 思い出すと嫌になる。

 闇術は主に禁忌とされている術のひとつだ。新たな肉体を生み出すという人体召還術や、悪魔などの類もまた召還術の一種とされ、禁止されている。取締の対象だ。

 力を求め、闇に堕ちたものはあちこちにいる。能力のない一般人ならまだいいが、たちが悪いのは能力者だ。まず戦闘になる。

 そして魂呼びというのは、亡くなった人の魂を喚ぶことを言うが、それだけなら神官もたまに行う。闇術になると予め用意した新鮮な死体や、瀕死の人にその魂を定着させるのだ。
 最も死体は長持ちはせず脆く、瀕死の人は自我が喰われても反発力があるため、やはり長持ちはしない。






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