とある神官の話
「まず、ミノアの件は遭遇したシュトルハウゼン神官が戻ってきたら詳しく私が聞くことになっている。聞いてからではないと、動きようがない。」
「……」
何も好き好んで教皇になったわけではない。そんなこと言ったら口先だけでも媚びを売るか。―――全てが全て、そんな腐っているわけではない。だが、と俺は思う。俺が知らないことで守れなかったものや、そういったものが少しでも、減るのなら。俺はそう簡単に死ぬわけにもいかないし、やられるつもりもない。「ブランシェ枢機卿」
「貴公にはミノアの件は任せてある。シュトルハウゼンが帰還後、私のもとへ来て話しを聞け」
「わかりました」
「それから禁書の件は――――」
やれるだけのことは、やる。
ヨウカハイネンが前にいったとおり、使えるものは使うし、俺は、やってやるさ。
彼らが戻ってくるまであと少し。
Chapter2 了