とある神官の話



「貴方は誰です」

「ヒューズ副局長何を」




 それは諦めたように、爆ぜた。

 顔を袖で庇い後退。即座に戦闘体勢をとる。爆ぜた男は一気に姿を変える。ヒューズは「だてに副局長をやってませんからね」と相手の出方を見る。

 男は顔を覆っていた。そして―――。




「なっ!」



 そこにいたのは、ここにいてはならない人物。ヒューズは凝視した。何故。何故貴方がここにいる?

 男はにやり、と笑った。
 





「ラッセル・ファムランっ!」




 ヒューズは焦っていた。
 術がかけられた監獄にいるはずの犯罪者がなぜ?
 しかも、だ「彼も言ってたけど」



「ここ数年の人は侮れないなあ」

「お前――――」




 雪がちらつきはじめた。
 そのままの体勢でじっとしていると、彼は退屈そうにあたりを見渡す。こんな場所なくなってしまえばいい、と。

 先手を打つか、とヒューズが思いはじめた頃。

 それは、耳元で囁かれた。



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