とある神官の話






「求めても、いいんじゃないですか」




 そういった私に、驚いた顔。




「シエナさん……」

「あ、いやその」

「ありがとうございます」





 あ。

 柔らかく微笑んだ顔に、どきりとした。ああまさかそんな。いたたまれない気持ちになる。ゼノンはそんな様子の私に笑ったが、私にはそんな余裕がない。

 照れてどうする!

 困ったな、と思う私。気づけばゼノンは目をとじていた。眠ったのか。



 ―――――何故。



 私の問いには、答えてはくれない。




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