とある神官の話
ただでさえロマノフ局長以下の局員が、ゼノン・エルドレイスが私を追いかけ回し(と私は思っている)ていることを暗黙のルール化しているのに。
理由はいくつかあるらしい。私が知っているのはゼノン自身がシエナが困るからやたらむやみに喋るな云々言ったこと(その時の笑顔はやばかったとロマノフ局長談)、それからエルドレイスに恋人がいる(噂より)などなど。
同僚は事情を知っているので「苦労してるな」と肩を叩かれるのだが、如何せん。知らない人はそうもいかない。ファンクラブに目をつけらかけているのだ。泣きたい。何が悲しくてストーカー予備軍もとい変人の餌食にならなければならないのか。
「渡したいものはそちらですか?」
「ええ」
「宜しければ、私がお渡ししましょうか?」
いいんですか!
本人に会わなくて済むじゃないか。私はその年配の神官に包みを渡す。
仕事であれこれ頭を使うから糖分を、という甘いものなのだが。好き嫌いなければいいが……。
神官は笑顔で「では、責任持ってお渡ししますね」と言ってくれた。これで用事は終わった、とお礼を言って私は去る。
今日はブエナの子供達と約束があるのだ。
軽くなった気持ちで、私は来た道を戻っていく。
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