とある神官の話


「どうでしょう。現在枢機卿の数は、少ないほうです。フォンエルズ枢機卿が使える奴がいないと嘆くのもわかる気がしますよ」

「……お前もさらっと怖いこと言うよな」




 ヨウカハイネン・シュトルハウゼン。己よりも長く生きていて、か。
 彼が枢機卿となったら落ち着くだろうか。エドゥアール二世は考える。いやいやまさか。あいつなら何か言い出しそうだと想像。

 昔から見た目がさほど変わらない男は、考えがよめない。ハナタレ呼ばわりしつつ、彼は何かと手を貸してくれていた。だからこその今がある。
 アガレスが何をしようとしているのか、まだ読みが甘い。ああ、問題は山のようにある。まだまだ休めない「それで?」



「うん?」

「フィンデル神官はどうするんです?会うんですか?」

「あー、シエナ・フィンデルなあ……」



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