とある神官の話



「エドガー」

「はい」





 エドゥアール二世は溜息まじりに呼ぶ。外には謁見を待つものがいるようで、急かされてが本人は気にしない。最もエドガーも気にせずマイペースだった「俺は」




「不安要素があり、それが確たるものになるなら――――手を打たなくてはならない」




 わかっている。
 エドゥアール二世も、エドガーも。これは、昔にあったこと。闇の部分だ。だからこそ正したかった。
 きっと、ハイネンもだろう。



「大丈夫ですよ」




 エドガーは人懐こい笑みを浮かべた。それは人の良さそうなおじいちゃんにしか見えない。それにきょとんとなったエドゥアール二世ははっとして笑う。

 大丈夫、大丈夫、か。

 エドゥアール二世は深く頷き、次の謁見者を呼んだ。





 もうすぐ、年が明ける――――。







Chapter4 了

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